森の香りのするスコーン。僕のことを見とばして、釘付けの眼差し。失礼なやつ・・・(笑)
百々⋅ 7歳6ヶ月28日
昨日の夕方散歩途中の出来事。もものそばに不意に近づいてきた赤柴のちいさな男の子。リードどころか、首輪もつけていない迷子の子です。あっと思うまもなく僕らのそばから走り去って、北風の吹く寒い公園をひとり駆け回っています。
何とかせねばと、待て！とか、おいで！とか、あれこれコマンドを言ってみるけれど、まったく反応なし。それどころかどんどんと遠くに行ってしまう。ももと追いかけること１５分あまり、とってもすばしっこく走り回って捕まえられそうにないし、うまく捕まえられても予備のリードはあるけれど首輪がない。うちで晩ご飯を作っているももハハに電話をして急いでももの小さいころの首輪を持ってきて！と頼んでいると、こんどは大通りの方に走って行ってしまった。大通りは大きなトラックも通るし、車が結構なスピードで走っているからまずいよーと思って必死で追いかけたけれど、とうとう見失ってしまう。それでもももが言う方向に走ってみる。大通りからスポーツ公園の方まで戻ってみると首輪を持ってきてくれたももハハの足下、植栽の幹元でなんとウンチをしているじゃないの。絶好のチャンスとばかり、そっとしゃがんで首輪をつけた！ふぅーっと息が漏れる、なんだかホッとして力が抜ける。
リードをつけると、嘘みたいにおとなしく歩ける子。ようやくこちらも落ち着いてじっくりと眺めてみると、きっとまだ１歳になるかならないかってところ。最初は少し興奮していたけれど、落ち着くととっても人なつっこいし僕らのことも怖がらない。
思い立って、近くのクリニックに相談に行ってみる。若犬だし、この辺りの子だったらきっとお医者にかかってると思ったから。
それでも、結論、どこの子かはわからず仕舞いで、連絡先だけを言って、いったん家に連れて戻る。
抱き上げると、えっ？！っと思うくらい軽い。そりゃそうかぁー、さっきのクリニックで体重を量ってもらったら６ｋｇもなかったんだった。小刻みに震えていて、心臓もドキドキしてるのが伝わってくる。あらためて早く飼い主さんを見つけてあげないとなぁ・・・と思う。
ももは、まだ散歩途中だったから、その子をもも用にと買ってあったバリケンに入れてももハハに預け、もう一度出直しの散歩。もしかしたら飼い主さんが近くを探してるかもしれないし。
散歩途中、この子のことをTwitterにつぶやいて、そうだ警察に届けてるかもしれないと思い、ももハハに頼んで近くの警察署に連絡をしてもらう。
散歩を終えてうちに戻ると、この子の飼い主さんらしき人が警察に届けを出しているとのこと、警察のお姉さんが引き合わせるためにこの子を連れに来るという話らしく、ホッとしてまた力が抜ける。でも嬉しい！
警察のお姉さんを待つ間、みんな落ち着いたし、お水ともものフードをあげてみる。
すこし食べたけれど、そりゃ食べる気にならんわなぁーとも思う。
そうだ、もし、この子の飼い主さんじゃなかったらすぐにネットで探さないとと思い、とりあえず写真を撮る。
そのときの様子。やっぱり不安そう、ときどきくぅーんくぅーんとさみしそうになく。
ほどなくして、警察のお姉さんが迎えに来てくれて、アパートのエントランスまでこの子を抱いて降りる。エレベーターの中で「もうすぐおうちに帰れるからなぁ・・・」と声をかけるとわかったように僕の顔を見上げた。もものような匂いがした。
エントランスで待っていてくれた警察のお姉さんは優しそうな感じの人で、一通りの事情を聞かれた後、「抱いても平気ですか？」と聞かれたから、「犬、平気ですか？」と言うと「実家で黒柴飼ってます！」との返答。「じゃあ、大丈夫です！(笑)」と意味不明なやりとりをして、リードを預けた。
「いくよ！」とお姉さんに声をかけられながら、スタスタと歩いて行ってしまうその子を見送りながら、なんだかさみしい気分になってしまう(笑)
それからしばらくして、警察のお姉さんから嬉しい一報があり、また、しばらくしてあの子に着けていたもものリードと首輪を持って、お姉さんが戻ってきてくれました。
ももといっしょにお姉さんを出迎え、ざくざくっと荒っぽくももを撫でてくれる様子に妙に納得をして、また、お姉さんを見送りました。
そうそう、忘れてました。もも、警察のお姉さんにあの子を預けに行った隙に、あの子が残していったフードをちゃっかり頂いてたのでしたぁ(笑)
まっ、ももも、いろいろと協力してくれたし、ご褒美ってことでいいかぁ^^;
さて、今ごろ、きっと昨日のこと、みんなで笑いながら話してるんじゃないかなぁ・・・あの子にはちょっとした冒険だったのかもだし^^ でも、ほんとよかった。
百々⋅ 7歳6ヶ月28日
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